2023/5/29エンジニア

    仮エフェクトの作り方(煙①)

    執筆: H.T

    はじめに

    こんにちは。ORENDAでアニメーターとして働いているH.Tと申します。

     アニメーターの仕事にもエフェクトを作る作業が発生することがあります。

     カットシーンの際に作る「仮エフェクト」です。

     仮エフェクトは下記のような理由からアニメーターが作成します。

    ・カットの完成イメージを想像しやすくするため

    ・エフェクトのタイミングがカット変わりやアニメーションのタイミングに影響するため

     などなど。

     アニメーターが作成したエフェクトを参考に、エフェクターが本番用のデータを作成します。

     仮エフェクトはMayaとAfterEffectで作る方法が分かれますが、どちらで作るかはカットシーンの見せ方によって変わります。

     キャラクターの前後にエフェクトを表示させ、奥行を見せたい場合はMayaが良いかと思います。

     今回はMayaを使った仮エフェクト、ミサイルから出る煙の簡単な作り方を紹介します。

    操作手順

    ・Mayaを起動します。(今回使用したのはMaya2022です)

    ・ステータスバーのドロップダウンのメニュー セットから「FX」を選択します。

     

    ・メニュー「nParticles」から「Get nParticle Example」を選択します。

     

    サンプル一覧が表示されます。

    その中から今回は「JetTrail.ma」を選択します。

    ビューワー上に既に出来上がったエフェクトが出来ました。

    エフェクト発生装置であるエミッターの方向を決めて、煙の出方をアトリビュートエディターで調整します。

    ▼パーティクルの排出量

    初期設定より多めに煙を出したかったので数値を上げました。

    エミッタタイプはVolumeのままです。

    ▼パーティクルサイズ

    初期設定ではパーティクルサイズが小さかったので、イメージしてる煙に近付けるためにサイズを大きくしました。

    パーティクルを適当な長さで消したかったので、ライフスパンも短くしています。

    ミサイル型のモデルにコンストレイントして、アニメーションを付けます。

    再生するとこんな感じになりました!

    まとめ

     仮エフェクトは「制作者がどういった意図で作ったカットなのか?」

     次にバトンを渡す作業者に、分かりやすくイメージを伝えるための材料の一つです。

     画面のどこに煙が入ってほしいのか、どのタイミングで煙が消えたらいいのか、などの演出を伝えることが重要なので、作りは簡単でも問題ありません。

     今回はMayaのサンプルからnParticleを使って作成しました。

     他にもPlaneポリゴンにテクスチャを貼り付けたり、AfterEffectで作ったり、作り方は人それぞれですので、自分に合ったやり方を探してみて下さい。

    関連リンク

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