2021/11/29エンジニア

    【Maya】モデリングを行う際に意識している事

    執筆: M

    はじめに

    皆様、はじめまして。株式会社ORENDAで、キャラモデルを中心に担当している Mと申します。

    今回は、まだ3Dモデリングに慣れていない方へ向けて、

    綺麗な3Dモデルを作るために私が気をつけていることについてお話させていただきます。

    前提条件

    今回使用する3DソフトはMayaですが、他ツールでも活用できるかと思います。

    内容

    内容は以下の3点です。

    • 多角形ポリゴンは作らない
    • シルエットへの影響が大きい部分にポリゴン数を割く
    • 背景を黒にしてシルエットを確認する

    詳しく説明していきます。

    ・多角形ポリゴンは作らない

    3DCG業界では、五角形以上のポリゴンを「多角形」と表現し、四角形以下と区別することがあります。

    なぜなら、「多角形ポリゴンを作らない」というルールは、様々な現場において、常識として扱われるためです。

    では、なぜ多角形ポリゴンを作ってはいけないのでしょうか。その理由を説明します。

    前提として、モデルをゲームエンジンへ入れるために出力を行う際に、ポリゴンは自動的に三角形に変換されます。その際、製作者の意図していない形状になってしまうことがあります。

    平面のオブジェクトの場合、三、四、五角形、どの場合でも結果は大きく変わりません。

    つまり、自動的に三角形に調整されても、見た目は変化しない事になります。

    参考画像

    立体の場合はどうでしょう。

    以下の例を見ると、頂点の数や位置は同じでも、三角化した際のエッジの結び方によって印象の違うオブジェクトができる事が分かります。

    参考画像

    どう割ってもシルエットに影響が出ない場合は、あまり気にする必要はないでしょう。

    しかし、画像のようにポリゴンがねじれている部分は、手動で三角ポリゴンに調整することで、意図しない変換を防ぐことができます。

    ・シルエットへの影響が大きい部分に分割を足す

    使えるポリゴン数に制限がある場合、シルエットに大きな影響が出る部分に対して優先的にポリゴンを割くようにしています。

    特に曲線部分はカクつきが目立ちやすいです。逆に直線部分は割っても影響が出にくいです。

    参考画像

    上の図の、中央と右のオブジェクトを比較すると、シルエットは同じでも、右の方が少ないポリゴンで構成されている事が分かります。

    (もちろん、骨、ウェイトやUV関連でこのように調整しないほうがいい場合もあります)

    また、直線部分は頂点を削ってもシルエットが変化していない事が見て取れます。

    ポリゴン数の制限が厳しい場合はこういった事を意識して、ポリゴンの分配を考えながら進めています。

    類似の内容として、カメラに映る頻度が高い部分へ優先的にポリゴンを割くというパターンもあります。

    例えば、「必殺技を使う際に顔のどアップのカットインが入るから、顔周りへポリゴンを優先的に割く」、

    「イベントシーンでバストアップでよく映るから、腰から上に優先的にポリゴンを割く」などの考え方もあります。

    どんな用途で使われるか、どの部分がアップになって映るかを意識して進めていくと良いと考えています。

    ・背景を黒にしてシルエットを確認する

    形状の確認は常に行うものですが、ときには表示する情報をシンプルにすることで、より形状の確認に集中できます。以下のように、MAYAの設定を変更して確認するようにしましょう。

    →方法

    1. マテリアルをデフォルトに戻します
    2. Lighting → UseFlatLighting を選択します
    3. Alt + B で背景の色が変わります。何回か押して背景を真っ黒にします。

    これで画像のように、シルエットのみが見える状態になります。

    参考画像

      

    この状態で、不自然にガタついている部分が無いか、ビューポートを動かして執拗に確認するようにしています。

    影のないシンプルな見た目によってシルエットが強調され、不自然なポイントを探しやすくなるのでオススメです。

    まとめ

    このような事を意識して、日々業務に当たっています。

    基本的な話、と思われた方も多いと思いますが、日々のスケジュールに追われて抜けてしまう場合もあるのではないでしょうか。

    そういった際の、ちょっとしたお力になれれば、幸いです。

    ご覧いただきまして、ありがとうございました。

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