執筆: /T.N.
はじめに
はじめまして。
株式会社ORENDAで、ゲームの背景制作業務を行っているT.N.と申します。
以前、過去に作成したモデル複数を使って一つの瓦礫モデルを作成するという業務があり、「複数枚あるテクスチャを一枚にまとめる」というテクニックを先輩から教えていただいたので、ここでご紹介します。
↑概念としては上の図のイメージになります。
統合に使用したソフト
BlenderVer.2.83
Blenderはフリーソフトです。Blender公式サイト
※過去バージョンでも可能ですが、本記事を参考にするならば比較的新しいバージョンの方が理想的です。
●第一回目MAYAにて下準備
今回のブログ用にメカチックな刀と鞘のモデルを用意しました。
冒頭でご紹介したイメージ画像のテクスチャがそれぞれにアサインされています。
①モデルの統合
UVの再配置が行いやすいようにこの二つのモデルを統合します。
アウトライナから二つのモデルCtrlキーを押しながら選択します。
メッシュ〉結合でモデルを一つにします。
結合できしました。
結合後、意図しない名前に変更されることがあるので、私はわかりやすいようにBake_Modelと書換ました。
(アウトライナ上でモデルを選択ダブルクリックで名前の変更ができます。)
しかし、このままだとヒストリが残ってしまうのでヒストリを消します。
アウトライナから、先程と同様にヒストリを選択し編集〉種類ごとにすべて削除〉ヒストリでヒストリを削除できます。
②UVセット
Blenderで使用する統合用のUVセットを増やします。ウィンドウ〉モデリングエディタ〉UVエディタでUVエディタを開きます。
UVエディタが開けたら、任意の場所に、好きなように配置してください。私は3Dビューの隣に配置しました。
その後、UVエディタ内のUVセット〉UVセットエディタでモデルが保持してるUVデータを確認します。
おそらくデフォルトは、map1と名前が付いたUV情報が一つだけとなっているはずです。
確認後、モデルを選択したままmap1〉コピーを押してmap1の情報を複製します。
コピーされたUV情報は、uvSet1と任意ではない名前になってるので、認識しやすいようにここではmap_bakeと名前を変更します。
③ベイク作業
現状だとベイク作業に移行できないので、コピーしたmap_bake内のUVを再配置します。
コピーされたmap_bakeのUV情報を確認します。見事にバラバラです。
手動になりますが、鞘と刀のUVが重ならないようにお好きに再配置してください。
下図のように隙間なく配置されているのが理想です。
配置が完了したら、map1が元のUVレイアウトにmap_bakeが再レイアウト
になっているがどうか、UVセットエディタで確認してみましょう。
Blenderではこのmap1の情報をmap_bakeに転写するという流れになります。
④UVセットの準備完了
Blenderで使用する統合用のUVセットの準備ができました。
統合したモデルを再び、刀と鞘に分離します。モデルを選択しCtrl+Dでモデルを複製します。
そのままだと認識しにくいので、下図のようにBake_Model→Sheath_Bake(鞘)Bake_Model→Sword_Bake(刀)とリネームします。
さらに、同じモデルが重なったままだと、分離作業がやりにくいので、アウトライナ上でSword_Bakeを選択しHキーを押し非表示にします。
アウトライナ上でSheath_Bakeを選択し、左クリックを押したままにし、カーソルを項目下のフェースに持っていきます。
図のようにモデルのエッジが水色になり、モデルのフェースが選択できるようになります。刀のモデルを消したいので、Altキーを押しカメラの角度を調整します。
選択できそうな角度にしたら、マウスの左クリック長押しでフェースを囲うように選択しDeleteキーで削除。
同じ要領でSword_Bakeから鞘のモデルも削除します。
上図のようにモデルが別々になっていたら、次はFBX形式に書き出します。
⑤FBX形式で書き出し
MayaからFBXの書き出し方は色々ありますが、今回は簡易版をご紹介します。
アウトライナ上でモデルを選択し、Mayaメニューからファイル〉選択項目の書き出し□〉選択項目の書き出しオプションから▼一般オプション項目内のファイルタイプから
FBXexportを選択し選択項目の書き出しを押します。
すると、書き出しの設定が出るので、下図を参考に書き出してください。
①ファイルの場所は、自分が把握しやすい場所を指定してください。また予め把握しやすい名前のファイルを作成してください。
②ファイル名を指定します。ここではSword_Bakeにします。
③ファイルの種類はFBX exportにします。
④問題なければ、選択項目の書き出しボタンを押してください。①の場所にFBXデータが書き出されます。
残りのモデルも同じ手順で保存します。下図ようにできてたらMayaでの下準備は完了です。お疲れ様でした。
まとめ
今回はMayaにて下準備を自分なりにまとめてみました。次回はいよいよBlenderを介してのベイク作業の紹介をします。おたのしみに。