執筆: スナギツネ
はじめに
お久しぶりです。スナギツネです。
普段私はキャラクターモデリングを担当しています。
イラストを再現するようなモデルを作成するときに仮でテクスチャを張りたい時、
毎回UVが開かれている状況ではないのでUVを開いていなくても使える
Mayaの機能「カメラマップ」を簡単にご紹介しようと思います。
ファイルを用意しよう
・貼りたいイラスト
・貼りたいモデル
まずは貼りたいイラストとモデルを用意します。
今回私は正面図を用意しました。これをプレーンに投影してみます。
ではMaya上で張り付けて行きましょう
モデルとカメラの準備
カメラを新規作成します
作成>カメラ>カメラ及びエイムで新規カメラを作成します。
作成すると下記のようにグループにまとまったカメラが作成されます。
このカメラは「camera1_aim」の方向に向き続けるカメラです。
わかりやすいように名前を「map_cameara」に変更しましょう
エイムカメラはカメラ本体を上に上げるだけで向きを自動で変えてくれます。
カメラを向かせたいところにロケーターを移動させてください。
用意するカメラはエイムカメラでなくても問題ありません。
次に新規マテリアルを貼り付けたいモデルに適用します。
ハイパーシェードから作成するのもいいですが、何もないところで右クリック長押しして
お気に入りのマテリアル作成>任意のマテリアル(今回はLambert)
で離すと新規で作られたマテリアルがそのままモデルに適用されます。
モデル、カメラ、マテリアルの準備が整ったところで
ここからカメラマップ(投影)の設定をしていきましょう。
マテリアルを設定しよう
新しいマテリアルを選択すると詳細がハイパーシェード内の「プロパティエディタ」や「アトリビュートエディタ」に表示されます。
表示された詳細からカラー(Color)のチェッカーをクリック
表示されたウィンドウ内の【ファイル】の上で右クリックし、【投影として作成】を選択します。
するとprojectionというノードが挟まります
(下のマテリアルはそのままファイルをクリックした結果)
projectionの中身を設定します。
今回はカメラから投影したいのでパースビューに変更して
カメラにリンクの項目に先ほど作成したカメラを入れ込みます。
フィルでフィットの項目はフィル以外にしておけば画像がゆがむことはありません。
水平垂直の違いは画像のとおりフィルムゲートのどちらに合わせるかの違いです。
カメラのフィルムゲートが横長なので、
真四角の画像をはめたい場合は垂直の方が調整要らずです。
(左:水平 右:垂直)
次に「イメージ」からつながっているファイルに用意したテクスチャを貼り付けます。
そうするとカメラから見た画像が貼り付けられます。
正面図の画像なので真正面から投影します
ここからはモデルに張りながら作成していきます
新規で立方体を2回スムーズしたものに投影し、輪郭作成していきます
斜めやまよこから見ると丸すぎるので頬っぺたを作ったり鼻を作ります。
正面のフェースを選択して平らになるようにつぶすと回り込みすぎていた目がいい感じに見えてきました。
鼻の凹凸を作るために割を追加して前に頂点を出すとさらに横顔っぽくなっていきました。
髪は頭部の上側のメッシュを複製して押し出して作成、
耳は円錐を変形させて作成しました。
割ったり丸く整えたりを繰り返して作っていくと…
このような形にできました。
関節のメッシュの割は参考にしないでください。
前髪だけ対称の形ではないのでモデルを分けています。
前からはいい感じに投影されてますが
そのまま通過して後ろ側にも反映されるので後ろは使えません
それでもUVを開かなくてもそれっぽく張れるのはやはり便利です!
今回のモデルの全く開いていないUVはこちら。
ぐちゃぐちゃですね!
この機能はUVを開いてからも便利なので、このぐちゃぐちゃのUVを綺麗に開きましょう。
開いたものはこちらです。
左右対称の足と腕と耳は重ねて一枚にUVを開きました。
もうひとつ便利なところ
ではカメラマップの方に戻ります。
もう一つ便利なところとは、ただ投影できるだけでなく投影したものをテクスチャに適応させて書きだせるところです
これができることで、イラストに描いたものをどうテクスチャに反映すればいいのかわかりやすくなります。
書き出しの際、モデルごとに書き出されるので、
一枚のテクスチャにまとめたいモデルを結合して一つにします。
バラバラのままのデータを残したい場合は、モデルを複製して結合してください。
次に「ハイパーシェード」を開き
結合したモデルとカメラマップを設定したマテリアルを選択します。
編集>ファイルテクスチャに変換(Mayaソフトウェア)の□を押し設定を開きます
バックグラウンドモードの設定はUVのない部分の色をどうするか指定できます。
仮データではあるのでお好みの方を選んでください。
左:カスタムカラー(デフォルト黒) 右:エッジカラーの延長
書き出しサイズなどを変更し書き出すとこうなります
これをもとにポケットの位置などを描きこんでゆけば下絵通りの位置にテクスチャが描けるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
かなり便利でクオリティを上げやすいので業務でも高い頻度で使用しています。
途中で完成図が少しでも見えることで作成のモチベーション持続にもなります。
これを使用して作業中のモチベーションと作業スピードを上げていきましょう!
関連リンク
- Maya公式ラーニング:投影