執筆: S.I
はじめに
デザイナーのS,Iと申します。
主に背景制作の業務を担当しています。
今回はフォトショップのレイヤー機能、スマートオブジェクトを使用した作例をご紹介しようと思います。
~スマートオブジェクトとは~
以下公式より
Photoshop や Illustrator ファイルなどのラスター画像やベクトル画像からの画像データを含むレイヤーです。
スマートオブジェクトでは、すべてのデータ特性とともに元の画像のコンテンツを保持するため、非破壊編集をおこなうことができます。
この特性を利用して、建物のパース図を描いてみます。
1.構図を設定します。
建物と道路のレイアウトを描きます。
2. 建物の平面図を作成し、レイアウトに合わせます。
・平面図を作成
平面図
平面図を描き、これをスマートオブジェクト化
平面図をスマートオブジェクト化
・スマートオブジェクト化したレイヤーを変形して、レイアウトに合わせる
先ほどのレイアウトに変形ツールでパースに合わせ、配置します。
スマートオブジェクトの変形は画像劣化しません。
またスマートオブジェクト化したレイヤーにはレイヤー情報が格納されているので、
それらを再編集することが可能です。
例えば、先ほどの平面図を以下のようにしてみます。
スマートオブジェクト化した平面図レイヤーをダブルクリック、元画像を開き編集する。
こちらをセーブすると、
このように変形がかかったスマートオブジェクトに編集内容が反映されます。
3.平面図の詳細を詰めていく
ラフ平面図をあたりに、窓や柵など建物に必要な要素を
描きこんでいく。
一列完了したら、均等配列ツール等を使って再配置する。
保存して、パース図を確認します。
ディティ―ルアップはされましたが、かなり平面的です。
そこで、平面図に図のような描きこみを行ってみます。
奥行きを意識した陰影、シルエットを描き入れていく。
だいぶ立体感が出てきました。
4.パース図、平面図に描きこむ
平面図に色分け、汚し、陰影などを描きこみ情報を追加します。
パース図に影面やハイライトなどを描きこんで完成。
まとめ
この手法は、パースにあわせてディティールを描きこむ必要がないので、建物など、同じパーツが連続する構造体を作図するのに有効です。
解像度を損なうことなく一括編集でき、デザインの検証にも役立つ手法で、
変形したレイヤーを再編集可能であるなどメリットも多いが、
データが重くなりがちです。適度にレイヤーをまとめながら作業すると効率よく描けると思います。
ご覧いただき、ありがとうございました。
関連リンク
- スマートオブジェクトについて