キャラクタ制作における注意点①

執筆者/K.M.

はじめに

はじめまして!私は株式会社ORENDAでキャラクターモデルをメインに監修業務をおこなっております。K.M.です。

今回は、キャラクターモデルを制作する上で、私が日頃気をつけているポイントをご紹介します。

普段人体モデリングをされる方も、そうでない方も、ご興味があれば是非ご覧になってくださいませ!

自分の体を触りながら一読いただければ、より理解が深まると思います。

この記事の内容

3Dでキャラクターを作成する際、大きく3つの工程があります。

①造形 (Model)

②質感 (Texture)

③骨入れ (Setup)

その中でも今回は以下の二つの項目に分けて①造形に着目してみようと思います。

1. 美しい造形 = 違和感の無い造形

2. 魅力的なシルエット作り

1.美しい造形 = 違和感の無い造形

どのような媒体向けに作られた人間モデルだとしても

「なんかこのモデル、変じゃないか?」

と、見た人に違和感を与えてしまっては、どれだけ時間をかけた作品でも価値が下がってしまいます。

私がひと目でみたときに気になるポイントとしては、正面・側面それぞれに存在する重心線の指標点がズレているときです。※直線上になっていない。

正面/背面は3Dツール内でシンメトリ設定をONにしておけばズレることは稀かと思いますが、側面は、以下のA,B,C,D,Eを直線で結ぶことが重要であり、背筋がピンッと伸びた立ち姿として綺麗な形になります。※図1

図1

・上半身は、A,大転子を基準として、B,肩関節(肩峰)の前方、C,耳垂の後方(乳様突起辺り)

・下半身は、A,大転子を基準として、D,膝関節の前方、E,足関節(外果)の前方

特にCがBの位置に比べて前方に移動してしまっている状態は、程度にもよりますが猫背に見える場合が多いです。

顔自体はキリッとした顔立ちで誠実さを感じる造形をしていたとしても、猫背で姿勢が悪くなってしまっては台無しです。※図2 

図2 右が大げさに調整したものです。

また、B,Cが直線で繋げられたとしても、A,Bがズレていると倒れてしまいそうな危うさを感じる状態となってしまいます。※図3

図3 右が大げさに調整したものです。

「全裸状態で完成じゃないし、多少ズレてても衣装や装備でカバーすれば大丈夫」という発想をもっている方もいらっしゃるかもしれませんが、悪い姿勢や倒れてしまいそうな土台の上に衣装や装飾品を配置したところで、印象は払拭できません!

細かな骨格再現、筋肉表現への制作が集中しているときこそ、頻度高く全体を見返し「そもそも印象としてどうだろうか」という点を意識して作成してもらいたいです。

2.魅力的なシルエット作り

ここでは、私が気をつけているポイントを3つご紹介いたします。

※個人的な見解ですので、すべてのキャラクターモデルに当てはまるものではございません。

こちらで添付している画像については、

大まかな筋肉の流れを私の方で作成したものです。

①クビレ

ポイント!「広背筋と外腹斜筋の交差点」を理解し凹みをアイコン化しない!

所謂クビレは、肋骨と骨盤に付着する筋肉によって成形されていますが、流れを理解せずに作成した場合、「クビレだし凹ませておけばいいや」という対応をしてしまいがちです。

3Dモデルは当たり前ですが動きます。特定のアングルから見た場合にはシルエットとして面白みが出る場合もありますが、様々な角度から見られる事を考えると回避するのが望ましいです。

また、クビレをしっかり作成することで、上半身全体のシルエットに説得力が生まれます。※図4

図4 ”なんとなく”で凹ましてしまった例

②肩

ポイント!三角筋に深入りしない!

三角筋はわかりやすくシルエットに絡んでくる部位なので、印象的な形状の肩を作ることに意識が向きがちです。

しかし、こだわりすぎると妙に肩が盛り上がってしまって、シルエットを損なう原因となりますので、三角筋と脇下の位置は常に意識して調整してください。※図5

図5 盛り上げすぎた肩のシルエット

③鎖骨

ポイント!始発と終着点を理解しよう!

筋肉はすべて入り組んでいます。1つの骨がズレるということは全体へ波及し身体の歪みとなります。

特に鎖骨は上半身の形をつくる上で、非常に重要な5つの筋肉が付着しているため、歪んでしまうと見た目として台無しです。1,大胸筋 2,僧帽筋 3,三角筋 4,胸鎖乳突筋 5,鎖骨下筋(図6では視認できません)

黄色線のように胸骨との接続部から僧帽筋、三角筋の交差点までが指標となります。※図6

図6 大げさに歪めた鎖骨

まとめ

今回は、ひと目で気になるポイントとして、大きなシルエットや気をつけてもらいたい点を紹介しました。

次回はもう少し細かく筋の流れの前後関係などを書かせていただければと思います。

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