執筆: W・H

はじめに

こんにちは。ORENDA入社2年目のW・Hです。主に背景モデラーとして業務を担当しています。

本記事では、Mayaの効率化カスタマイズ第二弾「マーキングメニューのカスタマイズ方法」について紹介します。

前回、カスタムシェルフの設定方法について紹介しましたが、それ以上に時短になり、手にも優しいカスタマイズとなっています。

こちらもMayaを使い慣れている方には身近なものですが、まだMaya経験が浅い方、カスタマイズの経験がない方にはお役に立てる内容かと思いますので、参考になれば幸いです。

マーキングメニューとは?

メッシュを選択した状態でShift+右クリックをするとツールがズラっと出てきます。これがマーキングメニューです。

「マルチカット」「スカルプトツール」「ターゲット連結ツール」…などなどモデリングでよく使う機能がワンアクションで出てきます。

マーキングメニューを使うか使わないかで、作業スピードも手への負担軽減も大きく変わってきます。

例えば、マルチカットを使いたいとき。

【マーキングメニューなしの場合】

マウスを上に持っていって、メッシュツールを開いて、マルチカットを選んで…。

(3アクション、マウスストローク長い)

【マーキングメニューありの場合】

Shift+右クリックしながらマルチカットを短くドラッグ、以上!

1アクション、マウスストローク短い

このように、地味な過程を省略することができます。

一見すると「2秒くらい短縮になったかな?そこまででもないような…」と思われるかもしれませんが、何十回も同じ機能を使っているとだんだん効果を実感できると思います。塵も積もれば山となるで、マウスストロークが短いので手にも優しいです。

Mayaを覚えたての方に真っ先におすすめしたいのがマーキングメニューの使用です!

マーキングメニューのカスタマイズ方法

デフォルトのマーキングメニューも十分使いやすいのですが、「あの機能が手元にあったら便利なのにな」とか、「この機能はそこまで使わないかな」とか、Mayaにどんな機能を求めているかは人それぞれです。

そこで、人それぞれ使いやすくなるように、本記事ではオリジナルのマーキングメニューを作る方法を紹介します。

設定方法が大きく2段階に分かれますので、それぞれ分けて説明して行こうと思います。

(1)マーキングメニューエディタの設定

ウィンドウ→設定/プリファレンス→マーキングメニューエディタを開き、

エディタ内の「マーキングメニューの作成」をクリックします。

マーキングメニューの作成画面が出てきます。

この中に、あらかじめシェルフに登録したアイコンをマウス中ボタンでドラッグ&ドロップすれば追加されます。ブリッジが追加されました。

※補足

シェルフへの登録方法は、登録したい機能をCtrl+Shift+左クリック(もしくは中クリック)すると追加できます。詳しくは前回記事をご参照ください。

同じ要領でマーキングメニューをカスタマイズしてみました。

本記事向けに作成した一例ですが、例えば「ブリッジやマージはよく使うからもっと手元に置いておきたい…」「ピボット系は少し端っこに置こう…」等々自分なりに使いやすいよう設定します。設定は後からでも変更できます。

カスタマイズが完了したら、メニュー名に名前をつけます。今回は「MarkingTest」にしました。保存をクリックします。

マーキングメニューエディタに「MarkingTest」が追加されました。

エディタ内の「マーキングメニューの使用」から「ホットキーエディター」を選択して、「設定の適用」をクリックします。

「MarkingTest」の隣に「Accessible in Hotkey Editor」と表示されればOKです。

これでマーキングメニューエディタ内の設定は完了です。

(2)ホットキーエディタの設定

次に、ホットキーエディタ内の設定に移ります。

ウィンドウ→設定/プリファレンス→ホットキーエディタを開きます。

「ホットキーを編集」から「Other items」を選択します。

画面下の方にある「User Marking Menus」をクリックすると、「MarkingTest_Press」と 「MarkingTest_Release」が出てきます。(設定したマーキング名_Pressもしくは_Release)

「MarkingTest_Press」と 「MarkingTest_Release」のホットキー欄に、お好みで使いやすいホットキーを入力します。この2つは同じキーを入力します。

※注意点

デフォルトで設定されているショートカットキーを入力すると、そのキーが使えなくなってしまうのでご注意ください。例えばShift+Zに設定するとRedoのショートカットが効かなくなってしまいます。

一例として、私はShift+Xに設定してみました。(デフォルトのショートカットキーと重なっていますが、普段使わないキーなので上書きしました)

保存ボタンを押すと、「ホットキー設定が保存されました。」と表示されます。

これでホットキーエディタ内の設定は完了です。

Mayaのビューポート上でメッシュを選択し、設定したホットキーを押しながら左クリックすると…

先ほど設定したマーキングメニューが出てきました。これで完了です!

まとめ

マーキングメニューに慣れないうちは「ちょっと使いづらいな…。」と思うかもしれませんが、長く使えば使うほど時短になり、手への負担も軽減されます。

一度設定してしまえばずっと使えますので、まだマーキングメニューの経験がない方には強くおすすめしたい機能です。

前回紹介しましたカスタムシェルフの設定方法と合わせて、Mayaをより使いやすくするための参考になれば嬉しいです。

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